野櫻のこだわりとは・・・。
”わさび漬け”は世の中に何百種類、もしかしたら何千種類あるかもしれません。
スーパー、観光地、駅の売店等々、ご自宅用・お土産用・贈答用など、その目的にあった味や価格・サイズがありますが、「野櫻のわさび漬」はそこから一線外れている、独自路線を突き進んでおります。
それは、色の白い酒粕は使わない、大吟醸・吟醸の酒粕も使わない、添加物を使用しない(*1)、安価な製法にしない、など時代に逆行しているようことをしていますが、そこにはちゃんとした理由があります。
うすいピンク色でアルコールも抜け、ほのかな甘み醸し出し、わさびの辛さや香りを引き立てるようじっくり熟成した酒粕しか使いません。
世間では、大吟醸・吟醸酒の酒粕を使っているところもありますが、こうじ・米つぶの残りも多く、水分量が多いため、わさびの辛さを引き立てることができず、口にいれた時に舌触りが悪いので、私どもでは使用することができないのです。元来、大吟醸・吟醸はお酒の種類であって優劣のランクではありません。
また、当店をはじめてのお客様は商品の裏を見て、「添加物は入っていない?」と聞かれます。実際、スーパーで駅やサービスエリアなどのお土産物店の商品をみると、香料・香辛料・保存料、はたまたよくわからないカタナカ文字をみることがあります。
添加物は万能ですが、わさび・酒粕本来の味を損ねてしまいます。当店では自然な味を一番に考え、全くとは言いませんが(*1)、極力使用しない製法にこだわっております。こだわりすぎているため、1年通じて同じ味にすることができません。
なぜかというと素材そのものの味は季節によって違うからです。”わさび”ひとつとっても、11月~2月が最も辛く、4月~8月の間は水分量が多く”わさび”の辛味は弱くなります。もちろん品種によっても違います。
とはいえ、私どももプロです。与えられた環境の中で最善をつくし、素材の味を活かした製法で野櫻の特徴である、「最初甘く、あとからグっと辛味が増す」わさび漬を造りつづけていきます。
良品造りにゴールはありません。温故知新の精神で常に追求してまいります。
*1 当店製造の原料の中で、佃煮のり・味噌に添加物が含有しております。